2022年の京都産業大学「あと一歩、あと一点」

 サギタリウスの一番星を応援すること40年、今シーズンこそ、チャンピオンシップを手にすると信じて、京産大ラグビーに関することを最優先に考
えて過ごして来ましたが、国立競技場、準決勝で試合巧者の早稲田大学に、「してやられた」という結果に終わって、ほぼほぼ、放心状態です。

  



  


 新年を迎えてイケイケ気分で、決勝の前日は横浜で前祝をして、当日は共に応援し続けてきた仲間と狂喜乱舞、涙が止まらないんだろうな。夢
にまで見た、大西健・元監督の胴上げ、史上最高、至福の瞬間が刻々と迫ってくるんだろうな・・・って捕らぬ狸の皮算用。あと一歩、あと一点で夢
の彼方に逃げ去りました。

  

     

     

 準決勝、あのタックルミスが無ければ、あのキックが決まれば、ラインアウトのスローインが真っすぐ入れば、レフリーがあそこで相手のノックオン
を取ってくれたら、おかしなオフサイド判定(主観ですが)さえ無かったら・・・と、「たられば」のオンパレード。勝てば、そんなこと気にしないのです
が、この原稿を書いている1月半ばまでショックが続いています。

  

  

  

  コロナ禍2022年のチームとの付き合いは、関西セブンスフェステバル・学生の部優勝から。この勢いで15人制も制覇して貰いたくて春のリーグ
戦へ。春季リーグも、同志社大学戦・関西学院大学戦を観戦して、決勝の天理大学戦も豊田から駆け付けました。(ちなみに、前日はジャパンVS
フランスのテストマッチでした。)長いインジュアリータイムで展開が二転三転、結果は31対31で両校優勝。

  

  

 全国大学選手権の決勝が、このカードになったら楽しいだろうな、国立競技場が関西人で埋まって、観客席で「でんがなまんがな」言うて応援す
るだろうし、学生最強の帝京大学を無視して、そんな事を言うてる場合じゃないですが、生きている間に見てみたい風景ですね。ただし、早慶明の
出ない決勝に集客が見込めるかどうかは別の話ですが・・・

  

 菅平の合宿へは2年目振り。早稲田大学、流通経済大学との2つのオープン戦を観戦。久々の信州で舞い上がっていましたが、セットプレーの
乱れというか、ラインアウトの精度の問題が気になったのと、三木の怪我の回復状況。プラス面は、ポルちゃんの突破力。ハーフは土永、西仲の
成長、フナキとラウシの両ロックの充実など。忘れちゃならないのが、西仲ファミリー、一眼レフを構えた父上が右へ左へと展開。いえ、いつどこに
行っても観戦されている姿、合わせて選手のご父兄のサポート、応援し続けている私たちにとっても心の支えになりますね。

  

  

  

  

 9月18日、いよいよ関西リーグの開幕です。久々の花園、前年優勝ゆえ、有利な条件で戦えます。初戦は関西学院大学に勝利、続いて、摂南
大学、関西大学、立命館大学と入りの悪さとセットプレーの乱れは気になるものの大勝続き。

 これに待ったをかけたのが同志社大学。楽勝ムードからの追い上げ、逆転。さすが、関西の雄と言うか、最大のライバルとして長年君臨してきた
好敵手。応援席も敗戦を覚悟しましたが、終了間際のインパクトプレーヤーのヴェアのぶちかましで再逆転。ギリギリで勝利を手繰り寄せました。

  

  

  

  

 次の西京極は、天理大学との全勝対決。勝ったほうが、関西制覇を手中にできる大切な一戦。春は両校優勝だったので負けられない。第一試
合は、同志社大学VS近畿大学。なんと、前節に京産を追い込んだ関西の雄がシャットアウト負け(スコアは0-34)と意外な結末。その近畿大学も
前節は、天理大学にシャットアウト負け(0-10)していたし、どうなる関西リーグ。実力が伯仲しているのか、全国レベルで考えると弱いのか、天理
大学戦も嫌なムードが漂います。前半、天理大学リードからの折り返し、取って取られて、突き放したかと思ったら天理大学の猛攻。終了間際にゴ
ール間際での反則の繰り返しでキャプテン福西にイエローカード。関西リーグの洗礼を浴びたかのような一戦は、29-22でノーサイド。ヒヤヒヤもん
でした。
  

  

  

 花園の最終戦は、天理大学が同志社大学に敗れる(19-47)波乱から。勝ち点制で順位が決まる今シーズンゆえ、この時点で京産の優勝は確
定しましたが、他の対戦を含めて3位から7位がどこになるか、最終戦を終えるまで不明という混沌さ。怪我人が出る可能性が高い近畿大学戦、
前半、近畿大学リードで折り返しましたが、後半に神山スピリッツ爆発、見事全勝優勝で、関西2連覇。選手権での対戦相手が、対抗戦3位の慶
應義塾大学に決まりました。

  

  

     

 いざ大学選手権へ、まずは過去の公式戦で勝ったことのない慶應義塾大学戦から。関西リーグで共に切磋琢磨してきた、天理大学、同志社大
学と共に、打倒関東、西のチームの実力を見せつけてやりたいものです。シード扱いの京産は、対戦まで3週間のインターバル。チームは、タイガ
ージャージ(慶應義塾大学)を倒して、国立へ、新しい景色を見て、「あれ」に向けてまっしぐら。応援する私たちは、布施、京都、門真でプレ祝勝
会。前日のバドミントンの練習会では、クリスマスプレゼントの代わりに赤紺のフラッグを配って、京都産業大学ラグビー部の躍進を、サイドからバ
ックアップしていただくことにしました。

  

  

  

 大学選手権初戦は、大阪・長居のヨドコウ桜スタジアム。第一試合が、関東リーグ戦1位の東海大学VS対抗戦5位の筑波大学。筑波大学は、
関西リーグ戦2位の天理大学をノックアウトしてベスト8に、バチバチをスローガンにする勢いのあるチームで、当日も後半終了間際の大逆転勝利
(20-17)で会場を熱くしました。仮に秩父宮の帝京大学VS同志社大学の結果が下馬評通りとすれば、準決勝に行くのは、早・筑・帝。もしも京産
が慶応義塾大学に敗れるようなことがあれば、すべて対抗戦グループになってしまうので最後の砦として、京洛(みやこ)の誇りを見せつけてやり
たいものです。
     

  

        

 キックオフ、前半スタートはWTBポルちゃんの突破でつないだCTB高井のトライから。けれども、押されてギャップを見つけられて、伝統校の攻勢
が続いて7-19まで差を広げられて、場内が重い空気に。慶應義塾大学LOのマオリ(ニュージーランド出身)アイザイア・マブスアの突破力とボール
への執念が、セットプレーに不安が残る京産を突き放していく。そんな空気からの脱出は、我らがトンガパワーのLO・ソロモネ・フナキのパワー、SH
土永の技ありのトライを加えて21-19で折り返す。

  

  

  

 後半は、強烈タックルとジャッカルの上手さで京産フォワードをリードするFL三木が相手キックをチャージ・直接受けてのトライなどで31-19とリー
ド。残り10分、ここからの慶應義塾大学の粘りは強烈、ゴール間際まで迫る猛攻、FB辻野がパスインターセプトに行ったものの前に落とす。これが
インテンショナルノックオンで認定トライ。しかも、イエローカードが出て31-26となって、最後まで14人で戦わなければならないピンチに。このすぐ後
に、西仲がPGを決めて34-26・・・ここからの猛攻は、目を閉じたくなるほど、終了間際に、やっぱマブスアの力業とコンバージョンキックも決まって
34-33・・・あと何分?やめて〜助けて〜という不安な時間を何とか消費してノーサイド。慶應義塾大学に初勝利、次は国立、打倒ワセダ、未だか
つて越えることのできなかった一線を越えて新しい景色を見て、それから大学のチャンピオンシップを我らの手に。

  

  

  

 新年、34-33の1点差で慶應義塾大学を倒した京都産業大学。宿敵、早稲田大学を倒しに国立競技場へ。結果は、取って取られて皮肉なもの
で、準決勝と同じスコアで33-34・・・逆だったら良かったものの、あと一歩、あと一点。

      

  

  

 今年も悔しいです。来シーズンこそ、新しい風景、そして「あれ」見せて下さい。

 選手の皆さん、チームスタッフに関係者、ご父兄、応援を続けているオールキョーサンの皆さん、お疲れ様でした。

 今年もええ夢見せて貰いました。来年は正夢になること祈念しております。

 「頑張れ〜サンダ〜イ!」

  

令和5年1月18日記



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2023年の京都産業大学〜国立の魔物
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