2023年の京都産業大学〜国立の魔物

 今シーズンの京都産業大学ラグビー部、チームスローガンはPassion(パッション)、三木キャプテンが先頭に立って、チャンピオンシップを目指し
続けました。長年に渡って応援し続けている私たちも、春のリーグから菅平合宿、関西リーグ、全国大学選手権と、一年を通して躍進するチームを
見守ってきました。
  

  

 2023年は、チームを47年間率いてきた大西健元監督の退官式が開催。皇室からライバル校の監督、歴代ラグビー部OB、応援し続けてきた私た
ちを含め500名参加で、先生から「伝統は一代ではできず、次代の人たちが頑張らないとできない。」と廣瀬監督・元木GM・チームに向けて悲願
の日本一の夢を託されました。また、リーグワンがアーリーエントリー制度を導入したところ、静岡レーブスで卒業生の家村選手がSOとして大活
躍。チームの勝利に貢献しています。キョーサンが注目される一年になりました。

  

  

 今年のチームは、全体的に小柄で当初どうなるかと思いましたが、戦いを通じて力強く成長し、関西リーグの天理大学戦は、後半終了間際、13
-22と突き放されて、FB辻野のキックオフで再開もキックが10m飛ばず相手スクラムに、万事休すかとスタンドはあきらめムード。ピッチの選手は
あきらめず、スクラムを押してコラプシングの反則をもらう。三木キャプテンはPGを選択。辻野が50mのキックを決めて16-22・・・この後、気まぐれ
な楕円球が、右へ左へ、勝利の女神はどちらに微笑むか、ロスタイムのラストワンプレー、ゴール前ラックから土永がボールを、落としたら死ぬとい
う覚悟の川口に渡してトライ、辻野のコンバージョンも決まって、23-22で大逆転勝利。全勝優勝で関西リーグ3連覇を決めました。

  

  

 大学選手権・初戦は長居・ヨドコウ桜スタジアムで、昨シーズン国立で1点差で敗れた早稲田大学を迎え撃つ。第一試合は天理大学が東海大
学に34-14で勝利。続いて京都産業大学は早稲田大学に65-28と圧勝。関西リーグから2チームが正月越え、国立競技場での準決勝に進みまし
た。
  

  

 準決勝は1月2日、決勝は1月13日。3年連続10回目の国立では、かつて見たことのない風景が見えて、その先には、大西先生を胴上げする姿
が見える。まずは元旦から東京に乗り込んで、神頼みと前祝からの観戦、明治大学を叩き潰してからの決勝戦。あれこれと根回しして当日に備え
たのですが、伝統校の壁は厚かった。勝利にこだわる明治大学の執念には勝てません。スクラム押さない、モールにつき合わない、前半最後もP
G狙わずタッチキックでトライを取りに来る。さすが創部100周年の伝統、勝てませんわ。

  

  

 ハンドリングエラーが多い?それは、手に吸盤ができるほどパスの練習を繰り返せばなんとかなるはず。
 タッチキックがラインを割らない?そりゃ、欲張りすぎるからで、希望の6〜7割の距離を狙って確実に地域を取ればよいのでは。
 ラインアウトが乱れる?そんなん、今に始まったことじゃないんだから、一番前に渡せば何とかなるでしょ。突破力が際立つポルテレをスローワー
にして、一番前に投げて、受けたボールをポルテレに戻して走れば50mぐらいゲインできるのでは、それならハーフウエイから相手をなぎ倒してトラ
イできるはず。
 ディフェンス悪い?昔はザルと言われていたけど、今は相手のステップに騙されるだけ。一つ外された選手は、攻撃する際に二つ外して倍返し。
トライも一つ取られたら二つ取り返す。それくらいの心意気で行けば何とかなると思いますが。
 レフリーが悪い?デッドボールラインを踏んだのを見逃してトライ?レフリーは敵味方30人の行動を見ているんだから、見れない部分があって当た
り前。圧倒的なプレーで押し切れば、そんな細かい部分は目につかなくなるはず。いっそのこと、TMO制度を導入すれば文句は出ないはず。

  

  
 細かいこと言ったらキリがありませんが、国立競技場には、何か魔物が潜んでいるのでは?京産大には微笑まない魔物が・・・でも、大学選手
権の準決勝以上を国立競技場で開催する必要があるのでしょうか?全国社会人ラグビーもかつては、秩父宮と花園で交互に開催していたのだか
ら、関西や九州で開催できませんか。準決勝は長居(ヨドコウ桜スタジアム)と大分(レゾナックドーム大分)、決勝は横浜(日産スタジアム)か名古
屋(豊田スタジアム)なんて案はいかがでしょうか。
 選手権だけは、タイムキーパー制というのもどうしたものか。世界標準を主張するなら、TMO、バンカー制度やショットクロックも導入すべきじゃな
いですか?
 まあ、普段通りのシチュエーションで、普段通りプレーできるのが一番ですが。

  

  

参考:今シーズンの京都産業大学 ・春季リーグ:7/2(親里)54-15同志社
・関西リーグ:9/17(花園)38-17関西・9/24(エコパ)50-28摂南
・10/8(皇子山)26-22立命館・10/22(宝ヶ池)35-8近畿
・10/29(宝ヶ池)34-9関西学院・11/19(たけびし)43-28同志社
・12/2(花園)23-22天理
・選手権:12/23(長居)65-28早稲田・1/2(国立)30-52明治

  

  

 さてさて、2023〜2024の京都産業大学ラグビー部の皆さん、選手・スタッフ・ご父兄・OB会・応援団を含めてお疲れ様でした。今シーズンも「え
え夢」見せてもらいました。
 来シーズンこそ、「ええ夢」が「正夢」になることを祈念しております。

  

令和6年1月31日記


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