2021年の京都産業大学〜「悔しいです!」

 正月2日、国立競技場での大学選手権準決勝、帝京大学VS京都産業大学の一戦、凄かったですね。実力・パワー共に超大学級の帝京大学に
対して、ひたむきさでここまで進んできた雑草集団の京都産業大学。前半で終わっていたら勝ってたのに・・・あと一歩で負けても、スクラムで押さ
れ続けても笑顔の平野ゲームキャプテン、素晴らしいですね。笑顔に秘めた闘志、同じ大学出身者として誇りに思える人格者ですね。そしてこの
チームは、最強にして最高というか、ひたむきに努力した結果の現れであって、感動もんのフィフティーンでした。それだけに、悔しいです。

  

  

 今シーズンは、コロナ禍でスタート。大西イズムの伝承者、ジャンボ伊藤(鐘史)監督のもとチャンピオンシップを狙うのかと思ったのに、スタート
から電撃退任で突如、トヨタの廣瀬佳司が監督就任。そりゃ、大学ラグビー部OBの中ではピカイチの実績で、キョーサンが最も強かった時代のス
タンドオフで、トップリーグのトヨタヴェルブリッツ監督も経験されてきたから最高の人選だと思いますが、どうなってんの?ピッチの外で応援する
我々でさえ困惑するのに、選手たちは大丈夫なんでしょうか?
 オープン戦は無観客、夏の菅平合宿は感染者ありで中止。ファンも例年なら、チームが仕上がっていく姿を自らの目で確認して、関西リーグ開幕
に備えるのですが、不安な情報しか入ってきません。入ってくる情報と言えば、天理大学が充実した練習を続けているとか、今年の近畿大学は一
味違う、うちは出遅れて・・と入れ替え戦も覚悟しました。
      

 無観客の開幕戦、摂南VS京産はコロナで順延。昨年の全国制覇の天理が近大に敗れる大波乱。次節も布引で近大が同志社を圧倒、同日初
戦の京産は、リッツに41対20で勝利するも、翌週は相性の悪い皇子山で絶好調の近大と対戦。
 久々のナマ観戦は皇子山、今年のチームと初対面。どんな戦い方をするのか。スクラムにこだわる京産スタイルが新ルールでどう変化するの
か。参考まで、ゴールライン直前でスクラムを選択して、押し込んだところ、ぐちゃぐちゃになって相手側がグランディング。今までなら、やり直しか
キャリーバックとなってマイボールの5mスクラムで再開したのですが、新ルールのもとでは、ヤンボールのゴールラインドロップアウトで再開しま
す。それゆえ、ネチネチ押して相手フォワードを消耗させてトライに持ち込むことが困難になりました。スクラムが得意なチームには不利になります
が、そんな時間が短縮されることになって試合がスピードアップされますね。当日は、50:22(フィフティ・トエンティトゥ)含めて、新ルールを理解す
ることなく観戦していましたが、ペナルティー〜タッチキック〜ラインアウト〜モール〜ペナルティー〜スクラム選択〜スクラムトライという定番の得
点パターンをやめて、竹下のPGで得点を重ねる確実な方法を採用していました。フォワードの京産?こだわり過ぎてどれだけ痛い目にあったの
か、努力する天才・廣瀬佳司が得意とした得点を重ねる戦法こそが勝利の方程式ではないのでしょうか。
 この近大戦は、16対12で勝利、内訳は京産1T1G3PG、近大2T1Gという時代と共に進化し続ける京産のせり勝ちで連勝。翌週の順延していた
摂南戦もトライと竹下の確実なショットで44対14と勝利。次の関大戦は、ラウシ3トライと西仲のショットで59対24と圧勝。この2戦は現地で観戦し
ていませんが、期待に胸が膨らみます。
  

  

 11月6日は天理親里。関西リーグ屈指のカード、同志社戦です。昔から同志社との対戦だけは、観客席も燃えます。コロナ禍ゆえ声を出さずに応
援しなきゃなりませんが、この一戦だけは、ついつい熱くなりますね。今年の京産はスクラム一辺倒から進化している。平野、廣田、桧垣の共同キ
ャプテンのもと、ひたむきに努力。成長著しいスタンド家村のエリアを獲得するキック、充実したトンガからの留学生のロック、三木、福西、藤井のフ
ォワード3列のフィジカルな動きとジャッカル、センターを起点とした攻撃、そして廣瀬直伝のスーパーブーツ竹下、ワクワクが止まりません。前半
は、14対12、終了間際のトライが余分でどちらに転ぶかわかりません。後半は同志社タイムが続きます。フアーウィ・ラララ・ドーシシャ。神山スピリ
ッツで耐える京産。耐え抜いて竹下のPGで17対12と優位に立つも、ラインアウトからのワンチャンスで同志社のトライ・ゴールで17対19に、後半22
分の出来事で、無情に時計が進みます。38分No8藤井のビッグゲインで敵陣へラックからのFL三木のトライでまたまた逆転。エキサイティングな
結末、22対19という僅差で勝利を手にしました。快進撃の京産、次は戦力充実の天理との一戦、勝てば23年ぶりの関西チャンピオンに近づきま
す。同日の第二試合では、天理が関学を圧倒、大丈夫かな・・
  

  

 翌11月7日は、還暦同期会(式典)で京都産業大学の神山ホールへ。黒坂学長のご挨拶でもラグビー部の快進撃が話題に上り、オール・キョー
サンでバックアップするという意気込みを述べてくれました。卒業してからほぼ40年、敷地内は新しくなって、より快適な空間に変わっていますが、
原点回帰というか、神山スピリッツだけは変わらないと確信し、これからもラグビー含めて京都産業大学を応援し続けようと誓いました。

  

  

 さて、ここやでここ!コロナ禍じゃなければ観客席から聞こえてくるお馴染みの声援ですが、例年なら、押せ、スクラム、ゴリゴリ、押しまくれぃ!
なんて声が主流ですが、今年の主流は「ショット!」・・・11月20日の神戸ユニバでの天理戦は今年を代表するような戦い方でした。ひたむきな京
産VS充実の天理、前半は7-10、PG1つ分天理がリードで後半勝負。後半になってスクラムが安定し、確実なディフェンスで京産が有利に。天理
陣内でペナルティーをもらってショット。なんと、後半4つのPGを決めて、終わってみれば19対10と後半は、失点なしで勝利を手にしました。これで
6戦全勝、リーグ戦スタート時絶好調の近大の残り試合の成績次第ですが、次も勝って23年ぶりの優勝を決めようじゃないですか。

  

  

 最終の関学戦は12月4日、西京極でキックオフ。私は諸事情で観戦できませんでしたが、優勝を意識してか、前半戦ガチガチでダメダメな京産。
前半7対5で、ハーフタイムに元木コーチに喝を入れていただいて(?)結果は33対5で23年ぶりの関西チャンピオン。しかも全勝優勝。ホント嬉しい
です。
      

  

          

 全国大学選手権はシードで登場。けど、初戦が熊谷っておかしくない?花園がダメでも、長居や西京極、神戸ユニバなんて選択は無いのでしょ
うか。どうも、ワセダメイジ贔屓の協会の対応が気に入りませんね・・といつも通りひがんでみることにします。まあ、協会から文句など言われない
ほど強くなれば良いのですが、恒例行事として聞いておいて下さい。初戦が、熊谷に決まったのなら、サポーターとして関東を楽しむことにします。
有給休暇を取って、前日は東京・御徒町泊、試合が終われば横浜・桜木町泊、おまけで静岡泊と、コロナ禍で辛抱していた旅行を追加。新幹線に
乗るのは、なんと2年ぶり。ちなみに、前回も大学選手権で熊谷、対戦相手は日大でスコアは19対24という惜敗、いわゆるリベンジという図式にな
りました。
      

  

 12月26日熊谷、上州空っ風?赤城颪?ともかく風が強くて寒い。全国大学選手権は熱い攻防になりました。ここまで無敗の京産、日大も関東大
学リーグ2位といえども負け知らず(東海とドローも総得失点差で1位を譲った)しかも、フォワードにはリーグ得点王の井上風雅が控えます。前半
は、船曳の先制、ディフェンスのギャップをすり抜けた廣田の連続トライで12対0と京産ペース。このままで終わらないと思いましたが、15対7で前
半終了。さて後半、竹下のPG2つで21対7と点差を広げます。このまま逃げ切れたら良いのですが、流れは日大に。やっぱこの人、今回フランカー
で登場した井上風雅の連続トライで21対19に、おまけにバックスがスペースを使って展開して逆転トライで21対26と京産ピーンチ。この一戦では、
日大がスクラムを組まない作戦で、ラインアウトのノットストレートからも、スクラムではなくラインアウト選択でペースがつかめません。敵陣でのスク
ラムでペナルティー、竹下PGで24対26と追いかける。残り15分、一進一退の攻防が続き、両チーム共に決め手に欠く嫌なムード。敵陣、スクラム
でペナルティーを貰ってスーパーブーツ登場、空っ風が吹く中、竹下のPGが成功、27対26と逆転、ドッキドキの流れの中なんとか逃げ切った京
産、田中フミ以来15年ぶりのベスト4、正月越えの国立行き切符を手にしました。嬉しいけど、ほんとしんどい一戦でした。

  

  

 1月2日国立競技場、オール・キョーサンでサポートする準決勝は帝京大学戦。前半終了時23対10なんてスコア誰が信じますか?後半17分、竹
下PGで30対20、ここで出てきた帝京のキャプテン細木、ラスボス登場なんて表現していた人が居ましたが、なんか恐ろしいBGMをバックにゴジラ
かジョーズが出てきたかのようで、帝京スクラムの士気が高まります。ここから先が悔しい。京産がかつてこだわり続けたスクラムが玉砕、修正能
力の差か、フィットネスの差か、上手く組むことができません。あとでこの時の放送を録画で確認したら、ほんの少しの時間でしたが、現地で観戦し
ていた私たちにとっては長くて辛い時間。加えて、元気な西仲が出てきたと思ったらすぐにイエローカードで退場。スクラム含めて同じ反則の繰り
返しでペナルティー。組み方?押すタイミング?飛び出し?オフサイドラインの解釈違い?疑問符がたくさん並びましたが、帝京の方が勝利への執
念が勝ったのでしょう。結果は30対37で帝京大学の勝利、京都産業大学ラグビー部史上最高の仕上がりだったと思うだけに・・・・悔しいです。

  

  

  

 2021年度のチームの皆さん、お疲れ様でした。感動をありがとう。この悔しさをバネに来年こそは、ひたむきにチャンピオンシップを狙いに行きま
しょう。頼むぞ、キョーサン!
  

(注)今回は、大学名、個人名共に敬称を使用せずに原稿を書き上げました。失礼な表現も多々あるかとは思いますが、悔しさの現れとしてお許し
下さい。京都産業大学ラグビー部の発展だけでなく、ラグビー界全体の発展を祈念しまして、この記事をホームページに投稿させていただきまし
た。

2022年1月13日記


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2022年の京都産業大学「あと一歩、あと一点」
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