達人リコメンドの四国〜四国えとこどり

1.美波
 コロナ禍の名残、マスク着用、大声自粛、換気徹底、密回避など注意事項はあるけれど、ほぼほぼ制限が撤廃されたゴールデンウイーク、現地
の友人と乾杯するのは控えましたが、今年も高知・徳島に里帰りすることにしました。

  

 渋滞回避を考えて初日は早朝4時に出発。阪神高速から明石海峡、淡路島、大鳴門橋、吉野川サンライズ大橋を越えて徳島入り。かちどき橋の
交差点を通過せずに徳島県南部に行ける幸せを感じながら美波(日和佐)まで一直線。

  

          

 今回も、コロナ退散、自然災害からの保身、戦争の放棄、個人的にはワクチン接種副反応(蜂窩織炎)からの復帰などを祈願。四国23番札所の
薬王寺で厄払いです。女厄坂33段、男厄坂42段、還暦厄坂61段の階段に厄に見立てた1円玉を置いていきます。瑜祇塔から太平洋を展望して
世界平和を願うだけでなく、本堂前の厄落とし板も年齢の数だけ叩いて健康祈願。苦しい時の神頼みから旅は始まります。

      

         

 初日は、涅槃の道場(徳島県)から修行の道場(高知県)へ。寺間距離が2番目に長い最御崎寺(室戸)へと向かいます。歩き遍路なら、この間
75km、太平洋を眺めながら2日間ひたすら歩く辛い道のりですが、道中の透き通った海は癒し系だと思うのですが。

          

  

 クルマ遍路の私たちは、そんな風景からおススメの隠れ家、水床(みとこ)湾で休憩タイム。海洋自然博物館マリンジャムの島の小さな水族館で
ニモ(クマノミ)を探して、竹ケ島神社にご参拝。海が荒れてなければ、遊覧船のブルーマリン号に乗る選択もありましたが、天候と社会情勢を考え
て今回は回避しました。

  

      

2.室戸
 昭和の思い出、20代の私はスタンプラリー気分で四国巡礼を続けました。手を合わせて、本堂から大師堂、納経帳に証拠を残すというルーティン
ですが、ご住職や白装束で歩き遍路する方やお接待を申し出てくれる方から、多様なお話を聞いて四国の素晴らしさがわかるようになりました。
高松での生活も充実、南無大師遍照金剛と唱えれば良き日々が続くなんてホラ吹いていました。巡礼は、仕事のついでや、休日の時間つぶしで
続けていたのですが、最後に残した場所は、室戸三山と最大の難所・石鎚山横峯寺と結願の地・大窪寺の5つでした。結願前の巡拝は、室戸三
山を巡った後に、高知で宿泊して伊予西条の横峰寺というコースになりました。高速道路網が発展する前のことですから、大掛かりな旅で考える
こと色々、人生色々、クルマを走らせながらも同行二人、お大師様と修行を続けたような気分になりました。

         

  

  

         

 そんな、若かりし頃の修行の地、室戸岬を観光することにしました。ジオパークセンターでランチして、遊歩道を歩いて、24番札所の最御崎寺で
手を合わせて灯台まで歩きます、スカイライン展望台で野生のタヌキとご対面、25番札所の津照寺に登って鐘を撞いて、最初のお宿「ニューサン
パレスむろと」に到着です。キンメダイの煮物にサワラとキハダマグロの刺身や室戸の美味しいものに舌鼓という素敵な夜になりました。

       

  

  

  

        


3.馬路
 翌朝は、キラメッセ室戸で捕鯨の歴史を勉強して、いざ馬路村へと向かいます。今年も高知で一番のお気に入りの場所で羽根を伸ばすことにし
ます。村を楽しむ三つの方法は、「@時間を忘れてゆっくりするA新鮮な空気をたっぷり吸うB笑う、食べる、よく眠る」はい、看板通り過ごさせてい
ただきます。今回の目玉は、特別村民として、村役場を訪問。コロナ禍ゆえ村長室で「ごっくん馬路村」片手に写真に納まることはできませんが、
わざわざ山ア村長が、役場のエントランスまで出てきてくれて、村民1,000人に対し特別村民10,000人、千本山登山は展望台までは快適だが山
頂までは迷いやすい、朝日出山の大杉は歴史ロマンを感じる話と、魚梁瀬の杉の家のスパイスカレーのことも教えていただき、念願の「ごっくん片
手に写真に納まる」というミッション完了です。実は、村長が交代してから役場を訪ねるのは3回目ですが、初めてお会いできて光栄、というか愛し
の人とやっと会えた気分で、村の素晴らしさを語り会えました。山ア出村長、まことにありがとうございました。

  

  

  

 役場を出て、目指すは魚梁瀬。ダムや森林鉄道のある公園を見学して、ランチは村長おすすめの、杉の家でスパイスカレー。チキンと筍、キノコ
とズッキーニも入ってピリ辛で美味しくいただきました。奥様のご注文は、和風ラーメンセット、こちらも出汁が効いて「まいうー」という感想でした。
加えてコーヒータイム。空気が良いのと、山の水が良いから格別に美味しく感じますね。

  

  

  

  

 あとは、ふるさとセンター「まかいちょって家」でお土産買って、ゆずの森で工場見学、森林鉄道遺構の河口トンネルを訪ねて、温泉前の森林鉄
道に乗車します。メインディッシュは安田川の流れる音を聞きながら、馬路温泉でまったりと。はい、時間を忘れてゆっくりします。

  

  

     


 夕食は、陶板すき焼、鮎の塩焼き、アメゴのお刺身、山菜天ぷら、若鶏唐揚げの柚子風味サラダと豪華版。ビール飲んで、柚子酒飲んで、笑う、
食べる、よく眠る。お部屋はいつものロッジスタイル。暗くなったら外に出て星空観測。空いっぱいの星の中から、北斗七星をしっかり確認、新鮮な
空気をたっぷり吸ってから、温泉で手足を伸ばしてゆっくり過ごせば、馬路を満喫。翌朝も、鳥のさえずりと、安田川の流れと朝日の光で目覚めて
温泉に、アメゴの干物と土佐ジローの温泉卵の朝食をいただいて、大好きな馬路村から高知市内に向かいます。

  

    

  


4.高知
 最初の観光は、のいち動物公園に。馬路村から比べると随分都会で、GWイベントも開催していることも合わせて、家族連れでいっぱい。お子ち
ゃまの元気な声が飛び交って動物さんもイキイキと言いたいのですが、暑くてお疲れ気味。日本で一番動き回るハシビロコウに、マンドリルのイケ
メン父さん&優しい妻と子、目つきの悪いエミュー、可愛い系は、ヤブイヌ、キンカジューにカピバラさん。こちらの動物園の最大の魅力は、ボランテ
ィアの皆さんの努力で美しく保たれていることで、敷地は狭いけど色んな動物が見れる癒し系の公園ですね。

  

  

  

  

 さて、高知。カツオの塩タタキが美味しいお気に入りのお店は満員で予約不可。他のお店をネット検索して発見したのが、高知55番街にある酒と
肴「盃(まるはい)」です。
 これがまた、大当たり。高知市内に宿泊した歴史の中で、一番美味しいお店に遭遇したと思えるおまかせコースでした。食前酒は桂月の柚子
酒。前菜3点は、ヤマブキ、法蓮草、生シラス。ブリ・イカ・アワビ・ホタテ・タイのお刺身。特筆すべきは、ブリのぬた和え。ぬたとは、ニンニク酢味
噌という高知独特の万能調味料というか、それだけでもおいしいソースで、熱々ごはんにぴったりの優れものです。ホタテはレモンで飾り付け、鯛
の皮を炙って香ばしく。続いて天然鰻の白焼きは、ワサビと塩をまぶしてお食べ下さい。鰹の塩たたきは、お好みの薬味を添えて柚子(ゆのす)で
どうぞ。高知の夜はサイコー。

  

  

  

 続いて、海老とフィッシュカツをオリジナルのタルタルソースでいただいて、これでもかって感じで、ブリ大根の煮物が届きます。ブリはプリプリ、大
根はコンコン、素材最高味付け最高、美味すぎます。ビールとお酒がススム君って状態で、締めはトロタク巻とバッテラでフィニッシュです。はい、
大満足、コースに拍手喝采。達人リコメンドの「盃」と勝手に認定することにします。次回も、「盃(まるはい)」で決まり。

  

  

5.高知の偉人
 香美市香北町出身、やなせたかしと言えば「アンパンマン」ですね。JR四国にはアンパンマン列車、土佐くろしお鉄道の駅のキャラクターも担当
しました。そんな記念館が「アンパンマンミュージアム」です。館内撮影自由ですが、権利物ゆえSNSでの発表はできませんので、周辺の写真だ
けでもご覧下さい。

     

     

  

 東京生まれ香美市香北町猪野々で隠棲生活を送った歌人、吉井勇と言えば、かにかくにとゴンドラの歌。知りませんか?かにかくには京都祇園
の歌碑、ゴンドラの歌は「命短し恋せよ乙女」・・記念館と本人が過ごした渓鬼荘は、山深きところ、物部川の向こうにひっそりと佇んでいます。

  

  

 黒潮町(大方町)出身、フィギアの神様と言えば、海洋堂の創業者・宮脇修。同社の本社は門真ですが、出身地の高知には、四万十のホビー館
とかっぱ館、南国にはスペースファクトリーがあります。今回の旅では、「創る楽しみを、すべての人に。」をコンセプトとするスペースファクトリーで、
怪獣と猫に着色する体験をしてみました。スタッフの人が、「海洋堂が好きすぎて、こんな仕事していて、南国のファクトリーをお楽しみいただいて
から、憧れの門真の本社やホビーランド(門真市駅前イズミヤ3階)も訪問して欲しい。」なんて熱く語ってくれましたが、はい、門真をそんな高く評
価してくれてありがとうございます。灯台下暗しなんて言わずに、イズミヤのホビーランドに行ってみますね。

  

  

  

6.徳島
 今回は、高知から国道195号線で物部川沿いを上がって、県境の四つ足トンネルを越えて、那賀川に沿って下がります。途中、木頭地区に未来
コンビニなる新名所ができたのですが、先を急いで通過してしまいました。一応、道の駅もみじ川温泉で一息入れて、徳島へ。

  

  

  

  

 徳島、眉山が見えると故郷に帰った気分になりますね。お宿はハイパーイン両国橋で、夕食までは新町川公園をお散歩。明るい内は、クルーズ
船の発着場を眺めて、踊るアホウの欄干や石造、ウリ坊の噴水も発見、暗くなればライトアップを見ながらウオーターフロントを楽しみます。なんた
って、世界に先駆けて青色のLEDを開発したのが、徳島県阿南市の会社ですから、こりゃまた「エライやっちゃ」です。徳島の夜は、お気に入りの
居酒屋、魚浪漫へ。夜の町は高知に比べて活気がないようですが、鳴門鯛のお刺身やアラ炊き、小松島のフィッシュカツなどを、落ち着いていた
だくことができました。

  

  

  

      

 いよいよ楽日。昨年のGW、蔓延防止の観点から休館となった阿波十郎兵衛屋敷をリベンジ見学。今回は、徳島愛の象徴・すだちくんTシャツ着
用で気合を入れて一番乗り。なんと入場料が、四国観光達人割引・・・制度さえ忘れていた割引を受けて、いざ徳島の至宝・人形浄瑠璃を観劇し
ます。パンフレットで「太夫の語り、三味線の音色、3人遣いの人形の3つが積み重なるように登場人物の心情を描く人形浄瑠璃は、繊細で緻密
な日本人の歓声が息づく芸能です。」と説明されているように、阿波踊りと合わせて徳島に来たらぜひ見ておきたい伝統芸能です。平日に来ると、
太夫と三味線がカラオケで流れて人形が動かされるのですが、土日祝日はナマ演奏ゆえ迫力が違います。観劇後は「トト様の名前は十郎兵衛、
カカ様の名前はお弓と申します。」なんてセリフを真似したくなります。旅のフィナーレは、浄瑠璃人形との記念撮影です。今年も、四国のエエトコ
ばっかりを巡ってゲームオーバー。来年も、もっとエエトコ探して歩きたいな・・・

  

         

  

  

      

令和4年5月16日記(旅は5月1日〜5日)

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